ファンにファンアート(二次創作)してもらうメリットをご存じですか?
今回は、アーティストや音楽事務所が、ファンにファンアートを許諾し、公開してもらうことのポジティブな側面を探っていきます。
ファンアートの中には、アーティストや音楽事務所の意向に反するものもあり、ネガティブに受け止められることもあります。私自身も同じ考えを持っていました。
しかし、その一方で、原作者にとって有益な結果をもたらす場合もあるため、今回はファンアートとの向き合い方についてお話しします。
特に、アーティストや音楽事務所の方は最後までお付き合いください!
ファンアートの紹介
ファンアートとは、音楽、映画、漫画、小説、ゲームなどを原作として、ファンが創作する作品のことです。
ファンアートには、リアルな作品からデジタル作品まで、様々なものがあり、音楽、動画、イラスト、漫画、小説、アニメーション、フィギュア、衣類、などがあります。
これまで、ファンアートの代表格といえば同人誌でしたが、最近はインターネットが発展したことによって、デジタル作品のファンアートが普及しています。
本来、ファンがファンアートを収益化する場合は、原作者から正式に許諾を得る必要がありますが、私の経験上そのような申請をファンから受けたことはありません。それが、ファンアートが原作者にとって、歓迎されないムードになっている要因のひとつだと感じています。
アーティストがファンアートを許諾するメリット
実は、アーティストがファンアートを許諾することには、いくつかのメリットがあります。
クリエイティブ
ファンアートは、ファンがアーティストに対する尊敬や感謝を、クリエイティブな方法で表現することができる貴重な手段のひとつです。
ファンがアーティストの原作からインスピレーションを受けるのはもちろん、アーティストがファンアートからインスピレーションを受けるメリットがあります。
さらに、ファンがファンアートを創作することで、自分以外のファンとアーティストについて深いコミュニケーションをとったり、ファン同士がコラボレーションしたりすることで、強いファンコミュニティの形成につながる可能性があるのです。
このように、ファンアートはアーティストとファンとの架け橋となり、互いの創造性を共有する刺激的な文化となり得ます。
パブリシティ
ファンアートは、アーティストの認知を創出します。
ファンはそれぞれコミュニティに所属していて、その中には原作アーティストのことを知らない友人や知人もいて、アーティストの話題になることもあると思います。
私、こんな動画作ったんだよね!
私、このアーティストのファンなんだよね!
どちらの言葉が友達の興味関心をひくでしょうか?
ファンはファンアートを創作することで、熱量のあるプロモーションを友人知人に展開してくれます。このような拡散効果は、多くの人にアプローチしようとするアーティストにとって極めて重要なことです。
さらに、ファンアートは、アーティストの注目度を高めるキャンペーンやプロモーションにも利用できます。
例えば、ミュージシャンが、ファンアートコンテストを開催し、優勝者をアーティストのSNSなどで紹介したり、優勝したファンとのコラボレーション作品を創作したりすることで、ファンは熱狂することでしょう。
このようなキャンペーンやプロモーションを行うことで、ファンアートをアーティストの広報として活用することができるのです。
マネタイズ
ファンアートは、アーティストに新しい収益機会を提供します。
従来のファンアートは、SNSや一部のファンによる閉ざされたコミュニティで話題になるだけで、原作アーティストに経済的なメリットを提供する文化ではありませんでした。
しかし、アーティストや音楽事務所のファンアートへの考え方が変化してきたことで、「ニジソー」や「GALACAA」のように、ファンアートの収益化に特化した注目すべきWEBサービスも出現しています。
ファンアートをファンに創作してもらうことが原作アーティストの収益につながるという文化は、原作アーティストの考えに大きなイノベーションを与えているのです。
おわりに
アーティストにとってのファンアートは、ファンとのクリエイティブな関係性を高め、アーティスト自身の広報活動にも有益であり、なおかつ収益機会さえも提供する、新しい文化です。
ファンアートはファンが勝手に行っているものだと無関心でいるのではなく、積極的に関わることで、アーティストにもメリットがあることが伝わりましたら幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。